
ワクチン・予防接種
ワクチン・予防接種
赤ちゃんがいろいろな感染症にかかることは、成長のために必要なプロセスといえますが、症状が激しくて、赤ちゃんの小さな体に大きな負担をかけたり、重度の後遺症が残ったりする感染症にはかかってほしくはないものです。そこで、赤ちゃんを感染症から守るための有効な手段として、ワクチン接種がすすめられています。タイミングを逃さず接種して、赤ちゃんをしっかり守ってあげましょう。
適切なタイミングで忘れずに接種するようにしましょう。下記に一般的なワクチン接種で推奨されているスケジュールを記載しますので、こちらを参考にご予約いただければと思います。なお、接種をし忘れてしまった場合でも、スケジュールを組み直して接種できることがあります。予防接種に関してご不明な点や心配なことがございましたらお気軽にご相談ください。
5種混合ワクチンとは、ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ、ヒブ混合のワクチンを指します。
第1期:生後2カ月から7カ月になるまでの間に開始します。20日~56日の間隔をあけて3回、3回目の終了後、6カ月以上あけて4回目の追加接種をします。
生後2カ月から7カ月の間に開始し、27日以上(標準的には27日~56日)あけて3回接種します。
3回目の接種が終了した後の7カ月から13カ月後に4回目を接種します。
2回目及び3回目は1歳未満に終了してください。
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌による感染症を予防します。インフルエンザウイルスとは別物です。主に気道の分泌物により感染し、中耳炎や肺炎を起こします。まれに細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎などの重症感染症を起こすこともあります。細菌性髄膜炎は命に関わったり、後遺症が残ったりすることもある重篤な疾患です。
生後6週以上(推奨は2カ月)から開始します。
1価ワクチンと5価ワクチンがあり接種スケジュールが異なります。
1価ワクチンは、1回目の接種後、27日以上あけて2回目を接種します。5価ワクチンは1回目の接種後、27日以上それぞれあけて2回目、3回目を接種します。
ロタウイルスは乳児の急性胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。主な症状は、下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛で、嘔吐がひどく水分がとれずに脱水を起こすと、入院による点滴治療が必要になることもあります。また胃腸炎関連けいれんや脳炎を合併することもあります。
生後2カ月から7カ月の間に開始し、27日以上間隔をあけて3回接種します。4回目の追加接種は、生後12カ月から15カ月の間に3回接種後60日以上あけて接種します。
初回の接種月齢・年齢(生後2カ月から7カ月までに開始できなかった場合)や接種もれによって接種間隔・回数が異なります。
肺炎球菌による感染症を予防します。肺炎球菌は乳幼児の上気道に感染すると、敗血症や肺炎、細菌性髄膜炎など重篤な感染症を起こすことがあります。また、中耳炎や副鼻腔炎などの気道感染症の原因となることもあります。
生後2カ月から3カ月になるまでの間に開始し、1回目から27日以上あけて2回目を接種します。3回目は、1回目から139日(20週)以上あけて接種します。
母親が妊娠中にB型肝炎のキャリアであることが分かった場合、母子感染予防として、出産した医療機関から接種スケジュールの指示があります。
B型肝炎やB型肝炎ウイルス母子感染を予防します。乳幼児期(5歳未満)にB型肝炎ウイルスに感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になる率が高くなるといわれており、将来、慢性肝炎や肝硬変、肝がんを発症する可能性があります。
1歳までに1回接種します。標準的な接種期間は生後5カ月から8カ月です(地域の結核の発生状況などによって異なることがあります)。
結核は咳、痰、発熱、呼吸困難など、風邪のような症状が現れます。小児では全身性の結核症や結核性髄膜炎、粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)といった重篤な結核につながりやすく、重度の後遺症を残してしまうこともあります。
第1期と第2期に分かれており、合計4回接種します。
日本脳炎ウイルスは蚊を媒介して感染し、突然の高熱・頭痛・嘔吐・意識障害やけいれんなどの症状が出現します。知覚障害や運動障害の後遺症が残ったり、命に関わったりすることもある感染症です。
第1期と第2期に分かれており、合計2回接種します。
麻しん(はしか)は、発熱・発疹から肺炎や脳炎などの合併症を来す急性の全身感染症で、感染力が強いのが特徴です。高熱や全身発疹、咳、鼻水、目の充血などの症状が出現します。肺炎や中耳炎を合併しやすい感染症です。
風しんは、風しんウイルスによって発生する急性の発疹性感染症です。3日はしかとも呼ばれる発熱・発疹を来し、首や耳の後ろのリンパ節の腫れを主症状とします。脳炎などの重篤な合併症を併発することもある感染症です。妊婦さんが感染すると赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気を持って生まれる危険性があるため、成人にもワクチン接種が推奨されています。
合計2回接種します。
生後12カ月から15カ月までの間に1回目の接種を開始します。
2回目は3カ月以上(標準は6カ月から12カ月)間隔をおいて接種します。
水痘(みずぼうそう)は、水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる発疹性の感染症です。9歳以下の小児の発症が9割以上を占めています。発熱と全身に水疱疹が多発するのが主な症状ですが、重症化すると熱性けいれん、肺炎、気管支炎などを合併し、入院が必要になることもあります。大人の帯状疱疹も同じウイルスが原因で発症します。
1歳を過ぎたら開始します。
1歳のときの1回と、小学校就学前の1年間での1回の接種が望ましいとされています。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスの感染により、発熱や耳下腺(耳の下にあるだ液腺)の腫れ、あごの痛みを伴います。無菌性髄膜炎・脳炎・難聴・精巣炎など重い合併症を起こすこともあります。
生後6カ月以上13歳未満は年2回(10月、11月ころ)、13歳以上は通常年1回(12月中旬までに)接種します(2回接種することも可能です)。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性の呼吸器感染症であり、毎年冬(1月末~3月上旬がピーク)を中心に発生します。38°C以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状と合わせて、のどの痛みや鼻汁、せきなどの症状もみられます。
ワクチン接種は12月中旬までに終えることが望ましいと考えられます。
安心してワクチン接種をするために、接種前に以下の内容をチェックしてみましょう。
該当する場合や判断に迷うことがあれば接種前にご相談ください。