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7月に入り、東京では夏らしい日が続いていますね。先週に引き続き、夏風邪の代表格である「ヘルパンギーナ」と「手足口病」の流行が拡大しています。特にヘルパンギーナは報告数が倍増しており、小さなお子さんがいるご家庭では一層の注意が必要です。
今週も東京都から発表された最新の感染症情報(2025年第26週:6月23日~6月29日)をもとに、現在の流行状況とこの夏に気をつけたいポイントを解説します。
今週の感染症流行のポイント
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ヘルパンギーナが急増: 定点あたりの報告数が先週の0.25から0.50へと倍増しました 。特に町田市では10.13と警報レベルを大きく超える大流行となっています 。
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手足口病も増加続く: ヘルパンギーナと同様に増加傾向が続いています 。
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新型コロナウイルス(COVID-19)が再増加: 減少傾向でしたが、今週は増加に転じました 。
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水痘(みずぼうそう)も増加: 定点あたり報告数が0.95と、じわじわ増えています 。引き続き注意が必要です 。
【感染症別】東京都全体の流行状況
今週の東京都全体の主要な感染症の流行状況です。
感染症名 |
2025年第26週 |
ヘルパンギーナ |
0.50(定点あたり) |
手足口病 |
0.44(定点あたり) |
新型コロナウイルス(COVID-19) |
1.27(定点あたり) |
水痘(みずぼうそう) |
0.95(定点あたり) |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
3.35(定点あたり) |
感染性胃腸炎 |
6.01(定点あたり) |
百日咳 |
262 (報告数) |
(出典:東京都感染症週報 2025年第26週)
特に注意したい感染症
ヘルパンギーナ・手足口病
今週、最も顕著な動きを見せたのが
ヘルパンギーナで、報告数が倍増しました 。年齢別に見ると、1歳のお子さんが46人と最も多くなっています 。地域別では、多摩地域の
町田市(10.13)、都心部の**みなと区(2.17)**で特に報告が多くなっています 。
手足口病も同様に増加傾向で、こちらも1歳のお子さんでの感染が40人と目立ちます 。地域では**八王子市(1.55)や大田区(2.00)**で流行が見られます 。
これらの夏風邪は、突然の高熱や、喉・口の中の痛みで食事がとれなくなるのが辛い症状です。熱いものや酸っぱいもの、硬いものは避け、喉ごしの良いもの(ゼリー、アイス、冷たいスープなど)で水分と栄養を補給する工夫をしましょう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
落ち着きを見せていた新型コロナウイルスですが、今週は定点あたり1.27と、先週の0.84から大きく増加しました 。夏の旅行シーズンやイベントの増加に伴い、人の移動が活発になることで、今後さらに感染が広がる可能性があります。
屋内など人が密集する場所では換気を心がける、こまめな手洗いを行うなど、基本的な感染対策を改めて徹底しましょう。
水痘(みずぼうそう)
水痘も0.95と、注意が必要なレベルで報告数が増加しています 。ワクチンを2回接種することで重症化はかなり防げますが、接種していないお子さんや、1回しか接種していないお子さんは注意が必要です。また、過去に感染した大人でも、免疫が低下すると帯状疱疹として発症することがあります。
まとめ
2025年第26週の感染症情報をお届けしました。
いよいよ夏風邪シーズンが本格化し、ヘルパンギーナを筆頭に複数の感染症が増加傾向にあります。特に小さなお子さんは、複数のウイルスに同時に感染したり、次々とかかったりして体力を消耗しがちです。
保育園や幼稚園から帰宅した際の手洗いを徹底するだけでも、感染リスクを大きく減らすことができます。
これから夏休みに入り、お出かけの機会も増えるかと思います。楽しい夏を過ごすためにも、感染症の流行状況を念頭に置き、手洗いや換気などの基本的な対策を続けていきましょう。体調に不安がある場合は、早めにかかりつけ医にご相談ください。
【東京都感染症情報センター公式サイトでも最新情報をチェックできます】
▶︎ 東京都感染症情報センター
※本記事は東京都感染症情報センター「東京都感染症週報(令和7年7月3日発行)」をもとに作成しています。
(転載・二次利用禁止/当院ブログ用)
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