
2025年7月第26週の感染症情報に続き、東京都から発表された最新の週報(TOKYO IDWR)を基に、2025年第28週(7月7日〜7月13日)の都内の感染症の動向をお伝えします 。
今回の報告では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の増加傾向がより鮮明になっています。また、ヘルパンギーナや手足口病といった、いわゆる「夏風邪」も引き続き流行しています。
注目される感染症の動向
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
定点医療機関あたりの報告数は「2.15」となり、第26週の「1.27」、第27週の「1.65」から継続して増加傾向にあります 。入院報告数も50件と、前週の40件から増加しており 、今後の動向に一層の注意が必要です。
夏風邪(ヘルパンギーナ・手足口病)の状況
夏に流行のピークを迎える感染症が引き続き増加しています。
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ヘルパンギーナ: 定点あたりの報告数は「0.91」で、報告数は241件でした 。先週の「0.79」からさらに増加しており、流行が続いています 。
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手足口病: 報告数は149件で、4週連続で増加しています 。
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咽頭結膜熱(プール熱): 定点あたりの報告数は「0.46」で、報告数は122件でした 。先週からほぼ横ばいですが、引き続き警戒が必要です。
百日咳の報告数が大幅増
第28週では、百日咳の報告数が354件と、前週の303件から大幅に増加しました 88。年齢別に見ると、10代が197件と半数以上を占めています 9。咳が長く続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
報告数は726件、定点あたり「2.75」となり、高いレベルでの流行が続いています 101010。前週(741件)からはわずかに減少しましたが、依然として注意が必要です 。
水痘(みずぼうそう)
定点あたりの報告数は「0.82」と増加しており、週報でも「引き続き今後の動向に注意が必要」とされています 。
全数把握対象疾患の報告
第28週では、社会全体での警戒が必要な感染症として以下の報告がありました。
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梅毒: 57件の報告がありました 。年間累計は1,955件に達しています 。
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麻しん(はしか): 5件の報告がありました 。
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デング熱: 4件の報告があり、いずれも海外での感染が推定されています 。
夏本番を迎え、人の移動が活発になる時期です。基本的な感染対策である手洗いや、場面に応じたマスクの着用、体調がすぐれない際の外出を控えるなどの行動を心がけ、健康に夏を乗り切りましょう。