はじめに
東京都が公表している感染症週報(第32週:2025年8月4日~8月10日)によると、夏休み期間から徐々に感染症の流行に動きが見られています。特に乳幼児に多いRSウイルス感染症や感染性胃腸炎が増加しており、家庭や保育園・幼稚園での広がりが懸念されます。
主要な感染症の動向
🔹 RSウイルス感染症
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乳幼児を中心に報告数が増加。
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特に生後6か月未満の赤ちゃんは重症化しやすく、呼吸困難や哺乳不良に注意が必要です。
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咳・鼻水から始まり、発症5〜6日目頃に悪化するケースがあるため、経過観察を怠らないことが大切です。
🔹 感染性胃腸炎
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嘔吐・下痢を主症状とする感染性胃腸炎が増加。
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家庭内での二次感染も多く、タオルや食器の共用は避けることが推奨されます。
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脱水予防のため、経口補水液をこまめに与えることが大切です。
🔹 ヘルパンギーナ
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前週と比べるとやや減少傾向。
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しかし夏季特有の流行であり、発熱と口内の痛みを訴えるお子さんが依然として来院しています。
症状別の受診目安
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RSウイルス感染症
呼吸が苦しそう、ゼーゼー音が強い、哺乳・水分が取れない場合はすぐに受診。 -
感染性胃腸炎
繰り返す嘔吐や下痢で水分が取れない、尿の回数が減っている、ぐったりしている場合は受診。 -
高熱が続く場合
解熱剤で一時的に下がっても、3日以上高熱が続く場合は医療機関に相談を。
感染が広がる理由(季節要因)
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夏休み明けの集団生活
園や学校に再登園・登校することで、子ども同士の接触が増え、感染が一気に拡大しやすくなります。 -
高温多湿の環境
ウイルスの一部は湿度の高い環境で感染力が保たれやすく、胃腸炎などは夏に増加する傾向があります。 -
疲れやすい時期
夏の暑さで子どもたちの体力が落ちやすく、免疫力が低下していることも流行を後押しします。
ご家庭での予防と対応のポイント
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手洗い・うがいを徹底することで、飛沫・接触感染のリスクを下げられます。
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発熱や咳が長引く場合は自己判断せず、医療機関を早めに受診しましょう。
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乳幼児の体調変化(呼吸の苦しさ、水分摂取量の低下など)には特に注意してください。
まとめ
2025年第32週の東京都感染症週報では、RSウイルス感染症と感染性胃腸炎の増加が目立ちました。夏休み明けは園や学校を通じて感染が広がりやすい時期です。体調の変化を見逃さず、必要に応じて小児科を受診してください。
当院でも感染症に関するご相談を受け付けています。お子さまの体調で不安な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。