目次
はじめに
東京都感染症情報センターが公表した感染症週報(2025年第37週:9月8日〜9月14日)によると、秋口に入り子どもを中心とした感染症の報告が増えています。特にRSウイルス感染症、感染性胃腸炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行が目立ち、園や学校での感染拡大が懸念されます。
主要な感染症の動向
🔹 RSウイルス感染症
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報告数は**375件(定点あたり1.43件)**と前週からさらに増加。
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乳幼児に多く、ゼーゼー音や呼吸困難、哺乳不良が出る場合は注意が必要です。
🔹 感染性胃腸炎
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報告数**1,381件(定点あたり5.25件)**と前週より増加。
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嘔吐や下痢による脱水に注意。家庭内での二次感染も多く見られます。
🔹 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
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報告数**494件(定点あたり1.88件)**と大幅に増加。
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のどの強い痛みや発熱が特徴で、抗菌薬による治療が必要な場合があります。
🔹 ヘルパンギーナ
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報告数**345件(定点あたり1.31件)**でやや減少。
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高熱と口内の痛みで水分がとれない子どもが多いため、脱水に注意が必要です。
🔹 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
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報告数**1,852件(定点あたり4.43件)**と再び増加傾向。
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家庭内や学校での感染が続いています。
症状別の受診目安
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RSウイルス感染症:呼吸が苦しい、ゼーゼー音が強い、水分がとれない場合は早めに受診。
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感染性胃腸炎:嘔吐や下痢が続き、水分がとれない、尿が減っている場合は注意。
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溶連菌咽頭炎:のどの強い痛みや発熱、発疹を伴う場合は医療機関へ。
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ヘルパンギーナ:高熱や水分摂取困難があるときは受診を検討。
感染が広がる理由(季節要因)
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新学期の集団生活:登園・登校での接触が増加し、感染が拡大。
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気温差による免疫低下:残暑と朝晩の冷え込みで体力が落ちやすく、抵抗力が弱まる。
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秋口のウイルス流行特性:RSウイルスや胃腸炎は季節の変わり目に流行しやすい。
ご家庭でできる予防と対応
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石けんを使った手洗いの徹底
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嘔吐・下痢があるときはタオルや衣類を分けて管理
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水分補給をこまめに行い脱水予防
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発熱や咳が強いときは無理をせず登園・登校を控える
まとめ
第37週は、RSウイルス感染症、感染性胃腸炎、溶連菌咽頭炎が顕著に増加しました。秋口は子どもを中心に感染症が広がりやすい季節です。体調の変化に早めに気づき、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
当院でも感染症の診療やご相談を承っています。お子さまの症状で気になる点があればお気軽にご相談ください。
(出典:東京都感染症情報センター「東京都感染症週報 2025年第37週」)