
目次
はじめに
東京都が公開した 第48週(2025年11月24〜30日)感染症週報 では、前週まで急増していたインフルエンザが落ち着きを見せ始めました。
とはいえ、定点あたり35.76 と依然として 警報レベルを継続 しており、地域や学校によっては流行が続いています 。
また、感染性胃腸炎(定点4.93) や 溶連菌感染症(定点2.11) は高水準で、乳幼児を中心に広がっています。
主な感染症の動向
🔹 インフルエンザ
-
報告数は 14,947件(定点35.76) に減少(前週:21,608件)。
-
ただし都全体としては警報基準を上回るため、引き続き注意が必要。
-
流行株は A型AH3亜型 が大半を占め、B型Victoria系統も少数検出。
-
年齢別では 10〜14歳 が最も多く、学校を中心に流行が継続。
🔹 感染性胃腸炎
-
1,301件(定点4.93) と高水準を維持。
-
嘔吐症状を伴う例が多く、ノロウイルス・ロタウイルス・サポウイルス の検出も増加傾向。
-
集団生活の場での二次感染に注意が必要。
🔹 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
-
556件(定点2.11) とわずかに減少。
-
喉の痛みや発熱、発疹を伴うケースが多い。
🔹 RSウイルス感染症
-
54件(定点0.20) と減少が続く。
-
乳児での報告が依然みられるため注意。
🔹 百日咳
-
92件(定点0.35) とやや増加。
-
年齢層では 10代が多く、咳が長引く場合は注意が必要。
年齢別の傾向
-
インフルエンザ:
10〜14歳が最も多く(約2,821件)、次いで5〜9歳が多い。 -
感染性胃腸炎:
1〜4歳の乳幼児に集中。 -
RSウイルス:
0歳〜乳児期に多い。
症状別の受診目安
-
高熱が3日以上続く/ぐったりしている
→ インフルエンザ・他の呼吸器感染症の可能性 -
咳が2週間以上続く
→ 百日咳の可能性 -
何度も嘔吐する、下痢が続く、水分がとれない
→ 胃腸炎による脱水の危険 -
激しい喉の痛みや発疹を伴う発熱
→ 溶連菌感染症を疑う
感染が広がりやすい季節要因
-
空気が乾燥し、鼻や喉の粘膜が弱くなる
-
室内の換気不足
-
学校行事や外出の増加による人との接触機会の増大
-
気温差による体調変化
冬場はこれらが重なり、複数の感染症が同時に流行しやすくなります。
ご家庭でできる予防と対応
-
手洗い・うがい・咳エチケットの徹底
-
室内の加湿(40〜60%)
-
換気をこまめに行う
-
嘔吐物は使い捨て手袋+次亜塩素酸で処理
-
インフルエンザワクチンは早めの接種を
まとめ
第48週の東京都では、
-
インフルエンザは減少したものの警報レベルを継続
-
感染性胃腸炎は高水準で推移
-
溶連菌・百日咳も引き続き報告
12月に入り、本格的な冬の感染症シーズンに突入しました。
体調の変化を感じた際は早めに受診し、家庭でも予防策を心がけましょう。
出典
東京都感染症情報センター『東京都感染症週報 第48週(2025年11月24日〜11月30日)』



