🍯子どもの咳にはちみつは効く?効果・安全性・注意点まとめ🍯|せいせきこどもクリニック|多摩市一宮の小児科・小児アレルギー科

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🍯子どもの咳にはちみつは効く?効果・安全性・注意点まとめ🍯

🍯子どもの咳にはちみつは効く?効果・安全性・注意点まとめ🍯|せいせきこどもクリニック|多摩市一宮の小児科・小児アレルギー科

小さなお子さんの咳が続くと、親御さんとしては何とか楽にしてあげたいですよね。民間療法として昔から親しまれてきたはちみつが、子どもの咳に効果的だという話をご存知でしょうか? 本記事では、6歳未満の子どもを対象に「はちみつの風邪(咳)への効果・安全性・注意点」について、小児科医の視点も交えてやさしく解説します。はちみつが咳に効く根拠赤ちゃんには絶対NGの理由与えて良い年齢と与え方のコツ咳止めとして使う方法、そして小児科医からのアドバイスまで、ポイントごとにまとめます。

はちみつが子どもの咳に効く根拠と実際の効果

昔からの知恵と近年の研究 

はちみつは古代から傷や病気の治療に用いられてきた歴史があり、咳に対しても効果が期待されています。実際、世界保健機関(WHO)も、医療資源が乏しい地域を中心に子どもの咳止めとしてはちみつを推奨しています。はちみつには180種類以上もの成分が含まれており、抗酸化作用や抗菌作用によって喉の炎症や感染を和らげる働きがあると考えられています。甘いシロップ状なので喉に膜を作って保護し、喉の痛みやイガイガ感を緩和する効果も期待できます。

科学的エビデンス

近年の研究でも、はちみつの咳止め効果が確認されています。例えば、1歳以上の子どもの咳に対する複数の臨床試験をまとめたレビューでは、はちみつはプラセボ(偽薬)や無治療よりも咳の症状を改善し、その効果は一般的な市販の咳止め薬と同等かそれ以上であることが示されました。特に夜間の咳の頻度や重症度を大きく減らし、睡眠の質を向上させることが報告されています。実際、ある研究では就寝前に子どもに小さじ1杯(約2.5~5mL)のはちみつを与えたところ、夜中の咳込む回数が有意に減少し、子ども本人だけでなく看病する親の睡眠も改善したという結果が得られています。また別の研究でも、はちみつ投与群の咳症状が明らかに軽減し、「何もしない場合」と比較して効果が高いだけでなく、従来の咳止めシロップとほぼ同程度に咳を和らげたと結論づけられています。

こうしたエビデンスから、小児科領域では「咳をしている1歳以上の子どもには市販薬よりまずはちみつ」という選択肢も認知され始めています。市販の咳止め薬は2歳未満には使用すべきでないとされ、6歳未満でも慎重にしか用いられません。一方、はちみつは適切な年齢であれば自然由来で安全性も高いため、小児の咳への効果的で安全な代替手段として注目されているのです。

ポイント

はちみつが咳に効く主な理由は、

抗菌・抗炎症作用:

はちみつに含まれる成分が喉の炎症を鎮め、細菌の増殖を抑える働き。

粘膜保護・鎮静効果:

とろっとした甘い液が喉をコーティングし、刺激を和らげることで咳の反射を抑制。

甘味による効果:

甘い味が神経を通じて咳中枢を落ち着かせる可能性(※メカニズムは仮説ですが、そのような見解もあります)。

なお、はちみつの種類(アカシア、ソバ、レンゲなど)は効果に大きな差はないとされています。おうちにある市販のはちみつで十分効果が期待できますので、特別な銘柄を用意する必要はありません。

1歳未満の赤ちゃんには絶対NG!その理由(乳児ボツリヌス症)

「はちみつ=体に良い」でも赤ちゃんにはダメ!

はちみつは健康によい食品ですが、満1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えてはいけません。その理由は、乳児ボツリヌス症という重大な食中毒のリスクがあるためです。

乳児ボツリヌス症とは?



土壌などに存在するボツリヌス菌という細菌の**芽胞(がほう)**が、はちみつに混入している場合があります。大人や1歳以上の子どもの腸内では問題にならない微量な菌でも、消化管の環境が未発達な赤ちゃんが摂取すると腸内で菌が増殖し、毒素を産生してしまうことがあります。これによって生じるのが乳児ボツリヌス症で、便秘、哺乳力の低下(おっぱいやミルクが飲めなくなる)、元気がなくなる、泣き声が弱々しくなる、首のすわりが悪くなるなどの症状が現れます。進行すると筋力の低下が全身に及び、呼吸困難や呼吸停止を引き起こし、最悪の場合命に関わることもある非常に恐ろしい病気です。

加熱しても防げない 

ボツリヌス菌の芽胞は高い耐熱性を持ち、通常の加熱調理では死滅しません。そのため、「ちょっとお湯に通したから大丈夫」「料理に混ぜて加熱したから平気」ということはなく、市販のはちみつ入り食品(例えばはちみつ入りのジュースやお菓子)であっても1歳未満の赤ちゃんには一切与えてはいけません。実際に、日本国内でもはちみつが原因と疑われる乳児ボツリヌス症による死亡例が報告されています。これほど重大な危険がありますので、「ほんの少しなら…」という油断は禁物です。

家族皆で共有する注意

赤ちゃんの周りの大人全員がこの知識を持つことが大切です。パパ・ママはもちろん、祖父母など赤ちゃんに食べ物を与える可能性がある家族にも**「1歳になるまでは絶対にはちみつ禁止」**を徹底して共有しましょう。可愛いお孫さんに栄養をつけようとして善意で与えてしまうケースもあるので注意が必要です。

はちみつは何歳からOK?与え方のコツ

安全に食べられる年齢

 はちみつデビューは満1歳を過ぎてからです。1歳を超えれば腸内環境が整い、乳児ボツリヌス症のリスクは極めて低くなるため、はちみつを食事や咳ケアに取り入れても基本的には問題ありません。もちろん個人差がありますので、1歳になったからといって急に大量に与えるのではなく、ごく少量から試してみてください。

最初は少なめの量から 

子どもにはちみつを与える際は、1回あたりティースプーン半分~1杯程度を目安にしましょう。甘味が強いので、最初の一口は小指の先くらいの少量でも構いません。子どもが抵抗なく舐められるようであれば、次から小さじ半分(2.5mL)程度に増やし、様子を見て問題なければ最大で小さじ1杯(5mL)程度までにとどめます。たくさん食べれば効果が増すわけではないので、与えすぎないことが肝心です(糖分の過剰摂取にも注意が必要です)。

はちみつの与え方ポイント

1歳以上であることを確認:

前述の通り、1歳未満には絶対に与えないでください。初めてあげるときは1歳を過ぎてからにしましょう。

少量からスタート:

初めての食材はちみつに限らず少量ずつ。特に甘みが強いので最初はほんのひと舐めから。目安は小さじ半分~1杯程度です。

単独で与える:

他の食品に混ぜず、まずはちみつ単体の味に慣れさせます。パンにつけるなども1歳を過ぎればOKですが、いきなり大量にならないよう注意。

体調に注意:

食べた後に発疹や下痢など体調不良がないか確認しましょう。はちみつ自体へのアレルギーはまれですが、もし口の周りが赤くなる等が見られたら医師に相談を。

甘くて食べやすい 

幸い、はちみつは子どもにとって美味しい甘い味なので、多くの子が嫌がらずに口にしてくれるでしょう。砂糖と違って栄養も多少含まれていますし、甘いのに喉に良いという点でママ・パパも罪悪感なく与えやすいですね。ただし、甘い=糖分が多いということでもあります。虫歯予防のために、日常的にあげる場合はタイミングとケアに気を付けましょう(詳細は後述)。

咳止めとして使うときのおすすめの方法

では、実際に子どもが咳をして辛そうなとき、はちみつをどう使えば効果的でしょうか? 小児科医がおすすめする咳ケアへのはちみつ活用法を紹介します。

就寝前のひとさじ

夜、寝る30分前くらいに小さじ1杯のはちみつを舐めさせてあげる方法がよく知られています。夜間は咳が出やすく、咳込みで子どもも親御さんも眠れなくなりがちです。寝る前にはちみつを喉に行き渡らせておくと、粘膜が潤って咳反射が和らぎ、夜間の咳を減らす効果が期待できます。実際に研究でも、この**「寝る前はちみつ」**は効果が証明されている方法です。

そのまま舐める

一番簡単なのはスプーン1杯のはちみつをそのまま舐めさせることです。とろりとしたはちみつが喉に直接触れることで即効的に喉がしっとり潤い、咳が落ち着きます。お子さんがスプーンから上手に飲み込めない場合は、親御さんの指先にとって上あごや舌に塗ってあげても良いでしょう(ただし清潔な手で行ってくださいね)。

温かい飲み物に混ぜる

はちみつをそのまま舐めるのを嫌がる場合や、喉が痛くて飲み込みづらそうな場合は、少量の温かい飲み物に溶かして飲ませる方法もあります。例えば、ぬるま湯や白湯に溶かせばシロップ状の飲みやすい飲み物になります。夜寝る前であれば温かいミルクに少し混ぜると、ミルクの優しい風味とはちみつの甘さでリラックス効果も期待できます。ただし、あまり高温のお湯だと喉を刺激してしまうので、人肌程度の温かさで十分です。

ハーブティーやレモンをプラス(1~2滴)

少し大きなお子さん(幼児以上)であれば、カフェインレスのハーブティー(例えばカモミールティーや麦茶でもOK)や、薄めたレモン汁にはちみつを溶かして飲むのも効果的です。レモンの香りやハーブの蒸気で鼻づまりや喉の痛みも和らぎ、はちみつの効果と相乗して喉全体がスーッと楽になるでしょう。ただし酸味が強いと嫌がる子もいるので、レモンはほんの数滴に留め、子どもの反応を見て調整してください。

はちみつ大根シロップ

昔ながらの民間療法ですが、「はちみつ大根」という方法も有名です。大根を薄切りにして蜂蜜に数時間漬けると、大根から水分が出てシロップ状になります。この大根エキス入りのはちみつシロップをスプーンで少量飲ませると、喉に優しいと言われています。大根には消炎作用があるともいわれ、はちみつと組み合わせることで喉の痛みに効くという家庭の知恵です。ただし、お子さんによっては味を嫌がる場合もありますし、エビデンス(科学的根拠)として確認された方法ではありませんので、「試してみて効いたらラッキー」くらいの位置づけで取り入れても良いでしょう。もちろん1歳未満にはこのシロップにもはちみつが入っていますので厳禁です。

最後に、はちみつを咳止めとして使うタイミングですが、基本は「咳が辛そうなとき」に追加で与えて構いません。1日に何回までと明確な決まりはありませんが、与えすぎは糖分の摂りすぎになりますので多くても1日2~3回程度に留めるのが無難です。特に寝る前の1回は効果的ですが、日中でも外出先から戻って咳き込んでいるときなどに1さじ舐めさせてあげると症状が和らぐことがあります。様子を見ながら活用してみてくださいね。

歯磨きも忘れずに!

はちみつを就寝前に与えた場合は、その後の歯磨きやうがいもお忘れなく。寝る直前に蜂蜜を舐めた場合は、水を一口飲ませて口の中をすすがせるだけでも違います。甘いまま寝てしまうと虫歯の原因になりますので、咳ケアと歯のケアの両立も心がけましょう。

小児科医からのアドバイス・注意点

はちみつはあくまで対症療法 

咳の原因そのものを治す薬ではないことは覚えておきましょう。たしかにはちみつには咳を和らげる効果がありますが、どうして咳が出ているのかという根本原因の治療にはなりません。多くの子どもの咳は風邪(ウイルス感染)によるものですが、なかには気管支喘息や肺炎、アレルギーなど別の原因が潜んでいる場合もあります。はちみつはあくまでも応急処置として捉え、長引く咳やゼーゼーと苦しそうな咳、高熱を伴う場合などは早めに小児科を受診して原因に応じた治療を受けてください。

効果には個人差も 

全ての咳に対して魔法のように効くわけではありません。研究では統計的に有意な差が出たとはいえ、効果の程度には個人差があります。中には「はちみつを舐めてもあまり咳が変わらない」というお子さんもいるでしょう。また即効性はありますが、根本的にウイルスを退治するものではないため、数日経っても症状が改善しないときは別の治療が必要な可能性があります。その場合も無理に繰り返し蜂蜜を与え続けるのではなく、医師に相談してください。

その他のケアも組み合わせて 

はちみつだけに頼らず、トータルな風邪ケアをしてあげることが大切です。例えば、咳が出るときは室内が乾燥しないよう適切な湿度を保つ(加湿器を使ったり濡れタオルを干す)、寝室を安静にできるリラックスした環境に整える、こまめに水分補給をさせ喉を潤す、といった基本的な対処も有効です。はちみつの力+αのケアで、よりお子さんが楽に過ごせるようサポートしましょう。

糖分の摂りすぎに注意 

繰り返しになりますが、はちみつは砂糖と同じく高糖分の食品です。頻繁に与えすぎると肥満や虫歯のリスクにつながります。お子さんの年齢にもよりますが、WHOのガイドラインでは1日の糖分(遊離糖)の摂取量を総エネルギーの5%未満(おおよそティースプーン6杯程度の砂糖に相当)に抑えることが推奨されています。咳が出ている期間だけ一時的に夜寝る前になめる程度であれば問題ありませんが、症状が軽いのに「健康に良いから」と毎日大量に摂るのは避けましょう。何事も適量が大事です。

まとめ

はちみつは身近にある天然の咳止めです。1歳を過ぎたお子さんであれば、風邪の咳や喉の痛みに対して試してみる価値のある安全なホームケアと言えるでしょう。古代エジプトの時代から万能薬として珍重されたという逸話があるほど、その効果には先人の知恵もお墨付きです。ただし、現代の医学も忘れてはいけません。「おかしいな」と思う症状があれば早めに受診すること、そして1歳未満には絶対に与えないことを重ねて強調しておきます。上手に蜂蜜を活用して、辛い咳が少しでも和らげば、お子さんも笑顔を取り戻せるはずです。おうちでのケアとプロの医療、両方を賢く取り入れて、これからの咳の季節を乗り切りましょう。お大事に!

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