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はじめに
こんにちは。せいせきこどもクリニックです。
東京都が公表した 2025年第44週(10月27日〜11月2日) の感染症週報では、インフルエンザが急増し、都内全域で本格的な流行期に入った ことが示されています。
同時に、感染性胃腸炎や溶連菌感染症 も増加しており、子どもたちの間で複数の感染症が並行して広がっている状況です。
主な感染症の動向
🔹 インフルエンザ
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定点当たり報告数:23.69(前週10.37) と2倍以上に急増。
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報告数は 9,926件 に達し、都内全域で大きな広がりが見られます。
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年齢別では 10〜14歳の報告が飛び抜けて多く(2,437件)、学校での流行が強く疑われます。
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都心だけでなく、多摩地域(八王子・多摩府中・町田など)でも高い水準。
🔹 感染性胃腸炎
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報告数 1,274件(定点4.83) と前週から増加。
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嘔吐・下痢による家庭内二次感染が多く、保育園・学校での拡大が懸念されます。
🔹 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌)
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564件(定点2.14) と増加傾向。
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喉の強い痛みと発熱を訴えるお子さんが多くみられます。
🔹 RSウイルス感染症
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133件(定点0.50) と減少し、秋のピークを越えて落ち着きつつあります。
🔹 手足口病・ヘルパンギーナ
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手足口病:68件
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ヘルパンギーナ:75件
秋シーズンとしては少ないものの、乳幼児で散発的にみられました。
🔹 百日咳
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91件 と依然多く、10代を中心に報告が続いています。
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咳が長引く場合は注意が必要です。
症状別の受診目安
✅ インフルエンザが疑われる場合
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高熱が続く
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ぐったりしている
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関節痛・頭痛が強い
特に 小学生〜中学生の発症が目立つ ため、家庭内での濃厚接触に注意。
✅ 感染性胃腸炎
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嘔吐・下痢が続き、水分がとれない
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尿の量が減っている
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口の中が乾いている
→ 脱水の兆候がみられたら早めの受診 を。
✅ 溶連菌感染症
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突然の喉の痛み
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発熱
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発疹(ときにみられる)
薬で治療が必要な感染症です。
感染が広がる理由(季節要因)
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昼夜の寒暖差が大きく、体調を崩しやすい時期
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乾燥 によりウイルスが空気中で長く生存
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ハロウィンや学校行事などで 人の集まりが増える
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暖房使用により 換気が不足しがち
11月以降はさらに増える傾向があり、早めの対策が重要です。
ご家庭でできる予防と対応
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手洗い(石けんで20秒以上)
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咳やくしゃみの症状がある場合はマスク着用
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部屋の乾燥を防ぐため 加湿と換気 を両立
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嘔吐物の処理は 使い捨て手袋・次亜塩素酸 で
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インフルエンザワクチン の早期接種を検討
まとめ
第44週の東京都では、
✅ インフルエンザが一気に増加(定点23.69)
✅ 感染性胃腸炎も上昇
✅ 溶連菌も高水準
と、複数の感染症が同時に流行しています。
11月以降は冬の感染症シーズンに突入するため、家庭での予防・早めの受診が大切です。
引き続き、当院でもお子さまの体調相談や診療に対応しております。お気軽にご相談ください。
(出典:東京都感染症情報センター「東京都感染症週報 第44週(2025年10月27日〜11月2日)」)



