
はじめに
東京都感染症情報センターが発表した 第45週(2025年11月3日〜11月9日) のデータでは、
インフルエンザの報告数が定点あたり29.03と急増し、都全体で警報レベルを超えた ことが明らかになりました。
同時に、感染性胃腸炎や溶連菌感染症 も高止まりしており、複数の感染症が並行して流行しています。
主な感染症の動向
🔹 インフルエンザ
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報告数:12,133件(定点あたり29.03) と、前週(9,926件/23.69)からさらに増加。
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都の警報基準(定点10.0以上)を大きく上回り、全域で注意報から警報レベルへ。
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流行株は依然として A型(AH3亜型) が主流で、一部で B型Victoria系統 も検出。
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年齢別では 10〜14歳の報告が最多(約2,700件) で、学校単位での流行が目立ちます。
🔹 感染性胃腸炎
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報告数:1,126件(定点4.27) とやや減少したものの、依然として高水準。
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ノロウイルスやロタウイルス の検出が始まり、今後の本格的流行が懸念されます。
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嘔吐・下痢による家庭内二次感染にも注意が必要です。
🔹 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
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報告数:447件(定点1.69) とやや減少しましたが、依然として多い状態が続いています。
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喉の痛みや発熱、いちご舌などの症状がみられる場合は早めの受診を。
🔹 RSウイルス感染症
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報告数:106件(定点0.40) と減少傾向にあります。
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乳幼児での重症化例には引き続き注意が必要です。
🔹 百日咳
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報告数:69件(前週96件)。やや減少したものの、全年齢層で報告が続いています。
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咳が長引く場合は早めの医療機関受診を。
年齢別の傾向
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インフルエンザ:10〜14歳が最多、学齢児中心に拡大
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感染性胃腸炎:1〜5歳で多発
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RSウイルス:1歳未満が中心
乳幼児から学童にかけて、複数の感染症が重なる時期となっています。
地域別の特徴
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町田市(16.75)・多摩府中(5.00)・多摩小平(5.47) など、多摩地域でも報告数が高い傾向。
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23区では 中野区(5.17)・台東区(7.00) が目立ちます。
地域によっては保育園や学校での集団発生報告も確認されています。
ご家庭での対策
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手洗い・うがいをこまめに
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咳やくしゃみの際はマスク・ティッシュで口を覆う
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嘔吐物の処理は 塩素系漂白剤 を使用し、手袋を着用
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室内の 加湿・換気 を心がける
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インフルエンザワクチン は早めの接種を推奨
まとめ
第45週は、
✅ インフルエンザが警報レベルへ到達(定点29.03)
✅ 感染性胃腸炎・溶連菌感染症も高水準
✅ 乳幼児~学童まで幅広く流行が拡大中
冬の感染症シーズンが本格化しています。
家庭内での体調変化に早めに気づき、無理をせず医療機関に相談しましょう。
(出典:東京都感染症情報センター「東京都感染症週報 第45週(2025年11月3日〜11月9日)」)



