【2025年第49週】東京都の感染症週報|インフルエンザは減少傾向も依然高水準 「胃腸炎がさらに増加、溶連菌・百日咳も高い水準を維持」|せいせきこどもクリニック|多摩市一宮の小児科・小児アレルギー科

〒206-0002 東京都多摩市一ノ宮4-20-23 バモス聖蹟1階
Tel.042-400-5032
ヘッダー画像

【2025年第49週】東京都の感染症週報|インフルエンザは減少傾向も依然高水準 「胃腸炎がさらに増加、溶連菌・百日咳も高い水準を維持」

【2025年第49週】東京都の感染症週報|インフルエンザは減少傾向も依然高水準 「胃腸炎がさらに増加、溶連菌・百日咳も高い水準を維持」|せいせきこどもクリニック|多摩市一宮の小児科・小児アレルギー科

 

はじめに

東京都が公表した 第49週(2025年12月1日〜12月7日)感染症週報 によると、前週に続きインフルエンザの報告数は減少しました。
しかし 定点25.17(10,495件) と高い水準であり、例年の同時期を大きく上回る状況が続いています 。

また、感染性胃腸炎(定点6.04) が急増しており、乳幼児から学齢期まで幅広い年代で拡がりが確認されています。
そのほか、溶連菌感染症・百日咳 も高止まりし、冬の感染症流行が本格化しつつあります。


主な感染症の動向(小児科定点)

🔹 インフルエンザ

  • 報告数 10,495件(定点25.17) と前週(14,947件)から減少。

  • 依然として過去5年平均を大幅に上回る状態が続く。

  • 年齢別では 10〜14歳(1,716件) が最多、ついで 5〜9歳の学童に多い。

  • 病原体検査では AH3亜型の検出が非常に多い


🔹 感染性胃腸炎

  • 1,589件(定点6.04) と前週(1,301件)からさらに増加。

  • 保育園・学校での集団発生が報告され、冬季特有の増加傾向が明瞭。

  • 病原体検出では ノロウイルスやロタウイルス が確認されている。


🔹 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌)

  • 663件(定点2.52) と増加。

  • 年齢別では 5〜9歳が特に多く、喉の痛みや発熱で受診するケースが目立つ。


🔹 RSウイルス感染症

  • 57件(定点0.22) と横ばい。

  • 流行ピークは過ぎているが、0歳〜乳児での報告は継続。


🔹 百日咳

  • 93件(定点0.35) と前週(92件)とほぼ同水準。

  • 10代を中心に幅広い年代で報告され、長引く咳の患者が増加傾向。


年齢別の特徴

  • インフルエンザ:10〜14歳が突出して多い(約1,716件)。

  • 感染性胃腸炎:1〜4歳が約600件と最も多く、家庭内感染に注意。

  • RSウイルス:乳児(特に0〜5ヶ月)で重症化リスクが高い。

  • 百日咳:全年齢で報告があるが、10代が最も多い。


症状別の受診目安

● インフルエンザが疑われる症状

  • 38℃以上の高熱が続く

  • 全身倦怠感が強い

  • 呼吸が苦しそう、食事量が極端に減っている

● 胃腸炎が疑われる症状

  • 何度も嘔吐する

  • 下痢が長引く

  • 水分が摂れず脱水が心配

● 溶連菌が疑われる症状

  • 強い喉の痛み

  • 発熱+発疹(いちご舌など)

● 百日咳を疑う場面

  • 2週間以上続く咳

  • 夜間や早朝に激しい咳込みがある


感染が広がる理由(季節要因)

  • 空気の乾燥によりウイルスが空中で長時間漂いやすい

  • 暖房で室内が乾燥し、粘膜の防御力が低下

  • 学校行事や人の移動が多い時期で接触機会が増加

  • 低気温で体調を崩しやすく、免疫力が低下する

これらの要因が重なり、冬季は複数の感染症が同時に流行しやすくなります。


ご家庭でできる予防と対策

  • 手洗い・咳エチケットを徹底

  • 加湿器などで室内湿度を40〜60%に維持

  • こまめな換気

  • 嘔吐物は手袋+次亜塩素酸で処理

  • インフルエンザワクチンは早めの接種を

  • 体調不良時は無理をせず休養をとる


まとめ

第49週の東京都では、

  • インフルエンザは減少したが依然高水準

  • 感染性胃腸炎は前週より大幅に増加

  • 溶連菌・百日咳も高止まりし、複数感染症が同時流行

12月に入り感染症のピークが続く見込みです。
発熱・嘔吐・咳などの症状が長引く場合は、早めに医療機関へご相談ください。


出典

東京都感染症情報センター『東京都感染症週報 第49週(2025年12月1日〜12月7日)』

TOPへ戻る