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「あれ?うちの子のほっぺ、なんだか真っ赤…もしかして、りんご病?」 「大人もかかるって聞いたけど、どんな症状が出るの?」
そんな疑問をお持ちのあなたへ!今回は、子供を中心に流行することが多い「伝染性紅斑」、通称「りんご病」について、気になる症状や原因、治療法、そして気になる感染力や予防法まで、わかりやすく解説します😊 正しい知識を身につけて、いざという時に備えましょう💪
もしかして「りんご病」?正式名称は「伝染性紅斑」
りんご病とは、その名の通り、頬がりんごのように赤くなることから名付けられた愛称で、正式な病名は「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」といいます。主に幼児期から学童期の子どもたち(特に4歳~10歳くらい)がかかりやすい病気ですが、実は大人もかかることがあるんです。
りんご病の正体は?原因ウイルスと感染経路
りんご病の主な原因は、「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスです🦠
このウイルスは、感染している人の咳やくしゃみなどの飛沫に含まれて空気中に飛び出し、それを吸い込むこと(飛沫感染)や、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れること(接触感染)でうつります。
どんな症状が出るの?子供と大人の違いもチェック!
りんご病の症状は、年齢によって少し違いが見られることもあります。
主な症状
- 頬の赤い発疹: 最も特徴的な症状で、両方の頬に蝶が羽を広げたような形(蝶翼状)の、境界がはっきりとした赤い発疹が現れます。「りんごのほっぺ」と表現されるのはこのためです🍎
- 手足の発疹: 頬の発疹が現れた後、腕や太もも、おしりなどに網目状やレース状、時には輪っかのような形の発疹が広がります。これらの発疹は、かゆみを伴うこともあれば、伴わないこともあります。胸やお腹、背中にも出ることがあります。
- 発熱や風邪のような症状(前駆症状): 頬に赤い発疹が出る7~10日くらい前に、微熱や鼻水、咳、だるさ、頭痛といった、風邪に似た症状が出ることがあります。この時期が実は一番感染力が強いと言われています。
子供と大人の症状の違い
- 子供の場合: 上記のような典型的な症状が出ることが多いです。発疹は1週間前後で消えることが多いですが、日光に当たったり、こすれたり、熱いお風呂に入ったりすると、一度消えた発疹がぶり返すこともあります。
- 大人の場合: 子供に比べて症状が重くなる傾向があります。特に関節痛や頭痛を強く訴えることがあり、ひどい場合は関節炎の症状で1~2日歩くのが困難になることもあります。また、大人では典型的な頬の赤い発疹が出ないこともあり、風疹など他の病気と間違われることも少なくありません。
いつからうつる?潜伏期間と感染力のある時期
ヒトパルボウイルスB19に感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、およそ10日~20日とされています。
気になる感染力ですが、実は頬に赤い発疹が現れた頃には、ウイルスの排出はほとんどなくなり、感染力はほぼ消失していると考えられています。最も感染力が強いのは、発疹が出る前の風邪のような症状が出ている時期(前駆症状期)です。
そのため、りんご病と診断された時点では、すでに周りの人にうつしてしまっている可能性があり、発疹が出ているからといって厳密な隔離が必要なケースは少ないとされています。
りんご病かも…病院に行くべき?診断と治療法
「りんご病かな?」と思ったら、まずはかかりつけの小児科や内科を受診しましょう。
診断方法
特徴的な発疹の出方などから、多くは視診で診断がつきます。必要に応じて血液検査でウイルスの抗体を調べることもあります。
治療法
残念ながら、りんご病に特効薬はありません。ヒトパルボウイルスB19に対する特別な治療法はなく、症状を和らげるための対症療法が中心となります。
基本的には自然に治る病気ですので、安静にして、十分な睡眠と栄養を摂ることが大切です。脱水を防ぐために、水分補給もこまめに行いましょう。
りんご病を予防するには?ワクチンはあるの?
残念ながら、2024年5月現在、りんご病を予防するためのワクチンはありません。
また、最も感染力が強いのが発疹が出る前の時期であるため、完全に感染を防ぐことは難しいのが現状です。
日常生活でできること
- 流行時期には、手洗いうがいを徹底する。
- 咳エチケット(咳やくしゃみをする際にマスクをしたり、ティッシュや袖で口・鼻を覆う)を心がける。
特に注意が必要なのは妊婦さん
妊婦さんがりんご病に感染すると、まれに胎児に影響が出ることがあります(胎児水腫など)。妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、流行時期には人混みを避けたり、風邪のような症状がある人との接触を控えたりするなどの注意が必要です。もし感染の疑いがある場合は、速やかに産婦人科医に相談しましょう。
まとめ:りんご病について正しく知って、落ち着いて対応しよう!
今回は、りんご病(伝染性紅斑)について詳しく解説しました。
- 原因: ヒトパルボウイルスB19
- 症状: 頬の赤い発疹、手足のレース状発疹。大人は関節痛が強いことも。
- 感染経路: 飛沫感染、接触感染
- 感染力: 発疹が出る前がピーク。発疹が出たらほぼ感染力なし。
- 治療: 特効薬なし。症状を和らげる対症療法が中心。
- 予防: ワクチンなし。手洗いうがい、咳エチケットが基本。
りんご病は、ほとんどの場合、自然に治る病気です。特徴的な症状を知っておくことで、慌てずに対処できますね。心配なことがあれば、自己判断せずに医療機関を受診してくださいね😊
引用元:
- 国立感染症研究所 感染症情報センター. 「伝染性紅斑とは」.
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/5th-disease/010/5th-disease.html